自身のバレーボール指導の振り返り

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 2024年度もあとわずかとなりました。多くのカテゴリでの指導をするようになって数年が経ち手探りでやってきたことの成果が出始め、修正することも少なからずある中、自分なりに分かってきたことや気になる事を綴っておきたいと思います。

 以前受けた講習で全世界でバレーボールの競技人口が全球技で一番多いと聞きました。驚いたのが本音です。日本国内ではサッカー・野球・バスケの次らしいのですがこの結果は肌感覚で感じているのと合致します。昨年からスタートしたSVリーグの人気などから状況は変わりつつありますが継続させるには、より下のカテゴリの努力が重要なのではないでしょうか。

 バレーボールは最も難しい団体球技と言われていますしそれは事実でしょう。『ボールを止められない・落とせない』この二つだけでも国内競技人口TOP3とは一線を画すわけです。また、大雑把に分類してもサーブ・アンダーハンドパス・オーバーハンドパス・スパイク・ブロックとバレーボールの試合を成立させるために必要なスキルは群を抜いて多い。(細かく分類すれば倍以上)そんなバレーボールの門を叩いてきてくれた特に小・中学生の子供たちにできるだけ早めに『楽しい』と感じてくれるように導くのが我々バレーボール指導者の責務と思うのです。

 先ほど記述したとおりバレーボールの必要スキルは多い・・・。逆に言えば『楽しい』と思ってもらうためのアプローチのルートも多いと言えます。何か一つでもできることが見つかればいずれ『楽しい』と感じてくれ他のスキルにも積極的に挑戦してくれるようになっていると感じています。ここで障壁となるのが可能性を消してしまう様々な要因です。小学生のカテゴリでは良くも悪くも大人が子供の成長の妨げにも手助けにもなっています。『小学生にはまだ難しいだろう』と思われることでも子供たちはできるようになってしまうことも多々あり。一昔前のトップチームレベルのジャンプフローターサーブなどは力のない低学年に向いているとまで言われ始め順序立てて考えれば合点がいく。指導する大人が経験したことだけでなく自身が学び成長しなければ子供たちの成長にはついていけないと気付かなければならないと思うのです。そんなことから私の所属する各カテゴリのチームではどんな実績を持っていようと指導者のポジションには就くことはなかなかできません。学生時代全国大会出場とか大学までやっていたとか特に評価の対象にはならないのです。あくまで自身の向上心と学ぶ姿勢を重視するのです。これも講習で痛感させられたことですが昨今問題視されているスポーツ界でのコンプライアンス問題では上記の競技実績の高い人ほど注意が必要と指摘されていました。

 中学生のカテゴリで気になって仕方ないのは選手である中学生自身と保護者の考え方。先も述べたように小学生は特にどんどんと先へ進もうとします。そして伸びていきます。いい意味でいえば自分の考えがあると言えなくもないのですが、『自分にはまだ無理』とか『自分は小さいから』とか積極性に欠ける中学生をよく見かけるのです。そうなるとなかなか意欲的になることはなく、どのようにやる気を引き出すか悩ましいのです。またあまり言いたくないのですが過剰に干渉する保護者もチラホラ見かけ、これは部活動の顧問の先生は大変だな・・・と同情してしまうこともあるのです。

 小中学生の保護者でたまに耳にするセリフが『うちの子はソフトバレーをやっているので・・・』と。すぐに試合で活躍するような事を言われます。まずそんなことはないのは事実でソフトバレーとバレーボールを同じものだと思うのは勘違いだとあえて言いたのです。ボールに力を加える必要のないソフトバレーの感覚のままでバレーボールはできません。ボールに力を伝える技術がないとボールを飛ばせないという事が抜け落ちているのです。ボールの落ちるスピードの違いも同様です。ボールがフワフワ浮くソフトバレーの感覚はバレーボールにとっては妨げであるとさえ思うのです。最も難しい団体球技の『バレーボールは小学生には無理』と思う親御さんは結構多く見かけます。そんな理由でまずソフトバレーを始めさせるのでしょうか。しかし一年弱の経験で5、6年生チームの中に入ってラリーに参加できる小学1年生は存在します。小さい頃こそ適応能力は高く子供たちの可能性は∞(無限大)だと知ってほしいものです。

 Lien kawaguchiでの指導の基本方針はポジション未固定です。これは西公民館ジュニアでもLa+でも家庭婦人カテゴリRingaでも同じです。小学1年生でもブロック練習やスパイク練習に取り組みます。ネットから手が出なくてもスキルは覚えられるし楽しそうに取り組みます。毎度の様に冗談で『明日起きたら190cmになってるかもしれないじゃん』などど言ってそのスキルが必要になったときすぐにできるよう準備をしているのです。もちろん小学生期間には役立たないかもしれない事もあります。それでも柔軟な頭を持ち、真似をして覚えるのが得意なうちに正しく伝えようとしているのです。先の先、私の指導の手が離れてから芽吹くようなことであっても惜しみなく選手の成長の手助けを続けることがLienkawaguchi及び西公民館ジュニア代表から最初に言われた要望である『バレーボールを長く続ける子を育ててほしい』という言葉に沿うことができると考えているのです。

 ほかにもバレーボールコーチをやっている中で意識している師(勝手に思っているだけですが)の言葉があります。全国的に有名な指導者の先生の『一人のオリンピック選手を育てるより100人の指導者を育てて欲しい』・・・刺さりました。練習法や指導法を伝えられるように今日も明日も勉強するのです。またある大学の監督さんが子供たちに『オリンピック選手になるために絶対に必要なことは何だと思う?』と問いました。答えは毎日練習することでも高レベルのプレーを覚えることでもなく『まずはバレーボールを続けることだよ』と仰っていました。続けていれば可能性はなくならないわけですから。西公民館ジュニア代表の言葉とも一致するのですが、指導する側としては『では、どうすればいい?』と自問自答するのです。特に小学生などには飽きることなく様々な角度からバレーボールスキルの向上になるであろう練習法を模索しています。失敗することもありますが日々学び練習中も考え行動することでほんの少しでもバレーボールに取り組む選手の手助けになればよいと考えるのです。

 『思い立ったが吉日』中学校に行ったら、新年度になったらと区切りを考えずに『バレーボールをやりたい』と思った子供たち、『またやりたい』と思った大人の皆さん一緒にバレーボールの楽しさを感じませんか?

だいぶ乱雑な文章で好き勝手に書き綴りました。自分の振り返りに役立てばと思った程度です。『そんな風な考えは・・・』と一蹴されるかもしれませんが、それも甘んじて受けとめ自分の糧にしようと思います。


長々とお付き合いありがとうございました。

by.和

Lien kawaguchi

西公民館Jr. 翔凜 REINAS Ringa La+ 4つのカテゴリのチームと指導・普及を目的としたスタッフ集団で川口市をBASEに活動しているバレーボール団体です。 メンバー、練習生加入等問い合わせは下記まで。 mail:lien1110@outlook.jp

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